2024/01/26 更新

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ヤツカ ハルナ
八塚 春名
YATSUKA Haruna
所属
学芸学部 多文化・国際協力学科 准教授
職名
准教授
外部リンク

学位

  • 博士(地域研究) ( 2011年3月   京都大学 )

  • 学士(農学) ( 2003年3月   京都府立大学 )

研究分野

  • 人文・社会 / 文化人類学、民俗学  / 生態人類学

  • 人文・社会 / 地域研究  / アフリカ地域研究

経歴

  • 津田塾大学   学芸学部 多文化・国際協力学科   准教授

    2022年4月 - 現在

  • 津田塾大学   学芸学部 多文化・国際協力学科   講師

    2019年4月 - 2022年3月

所属学協会

  • 観光学術学会

    2016年4月 - 現在

  • 生き物文化誌学会

    2012年5月 - 現在

  • 国際民族生物学会

    2008年3月 - 現在

  • 日本文化人類学会

    2007年4月 - 現在

  • 生態人類学会

    2004年3月 - 現在

 

論文

  • 原発事故が引き起こした遠隔地の資源利用に対する派生的被害―滋賀県のトチ餅づくりにおける木灰利用を事例に 査読

    八塚春名,藤岡悠一郎

    環境社会学研究   24   104 - 122   2024年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  • <論文>タンザニアの狩猟採集民ハッザによる食料獲得戦略の多様化 --民族観光と他民族の影響に着目して-- (II アフリカ食文化の現代的展開と課題) 査読

    八塚 春名

    農耕の技術と文化   30   113 - 132   2022年1月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:農耕文化研究振興会  

    本稿は、タンザニアに暮らす狩猟採集民ハッザの食料獲得に、観光を含む多面的な生計戦略と他民族の存在が与える影響を分析することによって、変化し続ける環境下でハッザがいかに食料のアベイラビリティを維持/拡大しているかを解明することが目的である。結果として、ハッザは観光収入を利用して購入できる食料と、狩猟採集により獲得できる食料を、世帯/個人の状況や嗜好に応じて組み合わせて食事を構成していた。また、他民族とその家畜によって撹乱された環境下に生育する雑草性植物を採集・利用する事例から、他民族の存在は食料資源のアベイラビリティを高める可能性もあることが示唆された。従来、アフリカ狩猟採集社会の特徴として社会編成や生計戦略にみられる可塑性が指摘されてきたが、本研究から、ハッザは現代的な変容のなかでも個人の移動を繰り返しながら可塑性を発揮し、生計の基盤を柔軟に変化させて食料を獲得していることが明らかになった。

    DOI: 10.14989/nobunken_30_113

    CiNii Research

  • 雑草を増やし、食べるータンザニアの半乾燥地における副食の嗜好性と食料政策の再考 査読

    八塚春名

    日本大学国際関係学部 生活科学研究所報告   41   45 - 55   2019年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  • タンザニアにおける薬用植物知識の地域性と多層性ー秘密・情報共有を選ぶ住民と伝統的医療従事者

    阪本公美子・八塚春名・須田征志・津田勝憲

    宇都宮大学国際学部研究論集   47   41 - 62   2019年2月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)  

  • Sustainable Hunting as Commodity: The Case of Tanzania's Hadza Hunter-Gatherers

    Haruna Yatsuka

    Global-e   11 ( 54 )   2018年11月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)  

    その他リンク: https://www.21global.ucsb.edu/global-e/november-2018/sustainable-hunting-commodity-case-tanzanias-hadza-hunter-gatherers

  • おみやげをつくる資源の越境ー滋賀県高島市におけるトチ餅づくりを事例として 査読

    八塚春名

    観光学評論   6 ( 2 )   179 - 190   2018年9月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  • タンザニアにおける狩猟採集民ハッザの観光実践―民族間関係、個人の移動、収入の個人差に着目して 査読

    八塚春名

    アフリカ研究   92   27 - 41   2017年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  • 山村の特産品づくりを支える資源利用ネットワーク―滋賀県高島市朽木におけるトチ餅生産とトチノミ利用 査読

    八塚春名,藤岡悠一郎

    BIOSTORY   24   94 - 106   2015年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  • 滋賀県高島市朽木地域におけるトチ餅の商品化 査読

    藤岡悠一郎,八塚春名,飯田義彦

    人文地理   67 ( 4 )   40 - 55   2015年8月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  • Reconsidering the "Indigenous Peoples" in the African Context from the Perspective of Current Livelihood and its Historical Changes: the Case of the Sandawe and the Hadza in Tanzania 査読

    Haruna Yatsuka

    African Study Monographs   36 ( 1 )   27 - 48   2015年3月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  • タンザニアのサンダウェ社会におけるニセゴマ (Ceratotheca sesamoides) の『半栽培』―乾燥葉の保存と分配に注目して 査読

    八塚春名

    アフリカ研究   78   25 - 41   2011年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

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書籍等出版物

  • Rethinking African Agriculture: How non-Agrarian Factors Shape Peasant Livelihoods 国際共著

    Yatsuka, H., Ikeya, K., Hyden, G., Sugimura, K. and T. Tsuruta ( 担当: 共著 ,  範囲: Farming Practices among African Hunter-gatherers: Diversifying without Loss of the Past.)

    2020年7月 

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    担当ページ:49-63.   記述言語:英語 著書種別:学術書

  • おみやげをつくる資源の移動と地域の技術

    八塚春名,神田孝治,遠藤英樹,高岡文章,鈴木涼太郎,松本健太郎( 担当: 共著 ,  範囲: コラム12 おみやげをつくる資源の移動と地域の技術)

    ナカニシヤ出版  2023年12月 

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    担当ページ:130-131.   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  • 朽木谷の自然と社会の変容

    八塚春名,水野一晴,藤岡悠一郎( 担当: 共著 ,  範囲: 第10章 トチ餅―伝統食からおみやげへ)

    海青社  2019年3月 

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    記述言語:日本語 著書種別:学術書

  • 先住民からみる現代世界

    八塚春名,深山直子,木村真希子,丸山淳子( 担当: 共著 ,  範囲: コラム8 生業変容と土地をめぐる権利―タンザニアの狩猟採集民ハッザとサンダウェ)

    昭和堂  2018年2月 

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    記述言語:日本語 著書種別:学術書

  • 狩猟採集民からみた地球環境史: 自然・隣人・文明との共生

    八塚春名,池谷和信( 担当: 共著 ,  範囲: 附論3 狩猟採集から複合生業へ―タンザニアのサンダウェ社会における農耕と家畜飼養の展開)

    東京大学出版会  2017年3月 

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    記述言語:日本語 著書種別:学術書

  • アフリカ潜在力 3 開発と共生のはざまで―国家と市場の変動を生きる

    八塚春名,高橋基樹,大山修一( 担当: 共著 ,  範囲: 第8章 外生の変容をかわす生業戦略の柔軟性―タンザニアの狩猟採集民と多民族国家)

    京都大学学術出版会  2016年3月 

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    記述言語:日本語 著書種別:学術書

  • タンザニアを知るための60章(第2版)

    八塚春名,栗田和明,根本利通( 担当: 共著 ,  範囲: コラム5 タンザニア庶民の味―ご当地ムレンダ)

    明石書店  2015年4月 

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    記述言語:日本語 著書種別:一般書・啓蒙書

  • タンザニアのサンダウェ社会における環境利用と社会関係の変化―狩猟採集民社会の変容に関する一考察

    八塚春名( 担当: 単著)

    松香堂  2012年3月 

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    記述言語:日本語 著書種別:学術書

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MISC

  • トチノキ林の利用をつうじた関係人口の創出

    飯田義彦,八塚春名

    地理   68 ( 3 )   48 - 52   2023年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)   出版者・発行元:古今書院  

  • 文化景観としてのトチノキ巨木林

    藤岡悠一郎,八塚春名

    BIOSTORY   36   84 - 89   2021年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)   出版者・発行元:生き物文化誌学会  

  • 狩猟採集社会の「復元力と脆弱性」:第10回国際狩猟採集社会会議 (CHaGS10) 参加報告

    八塚春名,松浦直毅,亀井伸孝

    アフリカ研究   83   29 - 32   2013年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)   出版者・発行元:日本アフリカ学会  

  • タンザニアのハニー・コレクター

    八塚春名

    月刊みんぱく   37 ( 2 )   30 - 31   2013年2月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(その他)   出版者・発行元:国立民族学博物館  

  • 生長を助け、食を助ける-人と植物の親密な関係

    八塚春名

    BIOSTORY   15   68 - 69   2011年6月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)   出版者・発行元:生き物文化誌学会  

共同研究・競争的資金等の研究

  • ポスト「ローカル・コミュニティ」時代の自然・文化保護事業とアフリカ少数民族社会

    研究課題/領域番号:23H03626  2023年04月 - 2027年03月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    丸山 淳子, 八塚 春名, 西崎 伸子, 中村 香子, 松浦 直毅, 岩井 雪乃, 目黒 紀夫

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    配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )

    アフリカの少数民族社会で数多く展開されている「ローカル・コミュニティ」主体の自然・文化保護事業では、民営化に伴い多岐にわたるアクターが参入し「ローカル・コミュニティ」を巧妙に利用したり、事業への関与の度合いにより「コミュニティ」内部に多様性や格差が生じている。本研究ではこの最新状況を〈ポスト「ローカル・コミュニティ」時代〉と位置づけ、各事業に関わる多数のアクターとその関係を〈アドホックなネットワーク〉として分析することにより、グレーゾーン化している「ローカル・コミュニティ」概念を再構築し、自然・文化保護事業が当該地域における自然との関わり方や文化の継承に生じさせているダイナミクスを考察する。

  • 日本列島における採集林の成立要因と変遷に関する地理学的研究

    研究課題/領域番号:20H01388  2020年04月 - 2024年03月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    藤岡 悠一郎, 伊藤 千尋, 手代木 功基, 濱 侃, 八塚 春名, 福永 将大, 飯田 義彦

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    配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )

    生物多様性ホットスポットの一角を成す日本列島において,かつて生態系に組み込まれていた生業・生活様式が過疎・高齢化などに伴って大きく変容する中で,これからの人為生態系の活用策や生物多様性保全策を検討していく必要がある。多様な人為生態系が存在する日本において,これまで体系的に整理されなかった“採集林”という概念を構築し,それを日本植生誌の中に位置づけ,生物多様性上の意義や文化的な意味を整理することが,一つの鍵となる。本研究は,島嶼部を含む日本列島における人為生態系を採集林という観点から整理し,異分野の協働による現地調査およびドローン空撮などの新技術から,採集林の分布様式と成立メカニズムを解明する。
    2021年度、本研究では新型コロナ感染症拡大状況を確認しつつ、集中調査地を主要な対象地として採集林や採集活動に関するデータ取得を実施した。
    集中調査地の一つとして、ブナ帯に位置する近畿地方を設定し、奈良県下北山村付近に成立しているトチノキ林を対象とした現地調査を実施した。この地域のトチノキ林は、トチノキの巨木が密に生育する特徴的な林分であり、現地の人々がトチノミを採集した採集林である。このトチノキ林において、トチノキが密生する場所を対象にコドラートおよびベルトトランセクトを設置し、毎木調査を実施した。その結果、トチノキ個体群の植生構造に関するデータを取得した。また、現地の住民に採集活動に関するインタビュー調査を実施し、本地域のトチノキ巨木林の成立要因などに関する情報を得た。
    さらに、中国地方の山間部に位置する恐羅漢山周辺でトチノキ林に関する現地調査を実施した。本地域においてもトチノキ採集を実施する文化が根付いており、同地域にトチノキが密に生育するトチノキ林が形成されているという情報を得たため、集中的な調査を実施した。山中に複数のコドラートを設置して毎木調査を実施するとともに、ドローンを用いて空中写真を撮影した。
    3月には、琉球諸島の慶良間諸島の一角に位置する座間味島において、ヤマモモ林とヤマモモの採集活動に関する集中調査を実施した。同地域では、ヤマモモを昔から食用に採集する文化があり、その採集林が現地の高月山山頂付近に成立しているという情報を入手した。その実態を把握するため、現地調査を実施した。同地域においてコドラートを設定し、毎木調査を実施した。また、現地の住民に対するインタビュー調査を実施した。
    また、本研究の分担者と集中調査の機会などを利用して意見交換を進め、研究の進捗状況を共有した。そして、最終的な成果公表に向けた議論を進めた。
    新型コロナ感染症拡大の影響で、現地調査が予定していたよりも制限を受けたが、集中調査地における共同調査を複数回実施することができた。また、共同調査により、自然環境に関する情報と社会環境に関する情報の両方を入手することができ、当初計画していた学際的なアプローチもおおむね達成できていると判断した。
    今後は、引き続き集中調査地を中心に採集林や採集活動に関するデータ入手を進める予定である。特に、琉球列島や日本海側の島嶼部における調査を進め、本州や九州の採集林との比較を試みる。また、これまでにデータを取得している地域においても継続的な調査を実施し、最終的に論文として成果が公表できるよう、必要な情報を収集する。
    また、採集林の事例を引き続き広く収集し、その定義や射程などを多角的に検討していきたい。これまでにも研究会などで分担者など領域内部の意見交換は実施してきたが、本概念を関連する研究分野の研究者に紹介し、意見交換を進めていく。
    さらに、異分野の研究結果を相互参照し、採集林に関する総合的な知見を得られるように、研究会や成果発信の方法を模索する予定である。一つの案として、地理学分野で広く読まれている雑誌などに特集企画を組み、それに向けて研究者間の議論を進める。また、分野間を横断する学際研究の成果を発表することを試みる。

  • アフリカのサバンナ地帯における植物の採集、流通、消費:人―植物関係の超地域的展開

    2019年04月 - 現在

    政府機関 

  • アフリカのサバンナ地帯における植物の採集、流通、消費:人―植物関係の超地域的展開

    研究課題/領域番号:19K12534  2019年04月 - 2024年03月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    八塚 春名

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    配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )

    本研究は、アフリカのサバンナ地帯の市場において小規模に販売される野生/半栽培植物に着目し、その採集、流通、消費をめぐる一連の流れを明らかにすることによって、植物を核にインフォーマルに構築され得る人びとのネットワークと、植物利用の伝播や歴史的展開を描き出すことを目指す。その際、個別の地域や民族ではなく、あくまで植物を起点に調査を進めることによって、地域/民族横断的に課題を遂行することができると考えている。具体的には、タンザニア中央部とガーナ北部というサバンナ地帯の2か所を調査地に設定し、現地でのフィールドワークを実施する。
    2022年度は、タンザニアにおける現地調査を2度にわたり実施することができた。現地調査では、タンザニアの複数州の都市部の市場において植物性の副食の材料を販売する人々に、それらの出所、流通形態、販売状況や利用法などに関する聞き取りを実施した。また、市場で得た情報をもとに、都市近郊の農村でそれら植物の生育状況や採集に関する聞き取りをおこなった。その結果、都市と近郊の農村を含むおおまかな地域ごとに、自然条件や居住民族といった要因が変化し、それに伴い市場でも好まれる植物が変化するという様子を確認できた。他方、国内で広く生育する植物であっても、ある地域では食用植物として非常に好まれ、市場でも販売されるものが、他地域においては食用と認識されていなかったり、年代により利用に関する認識に大きな隔たりがあったりする事例もみられた。こうした植物の利用や流通をめぐる都市と農村の関係について、現在、投稿論文を準備しており、最終年のうちには投稿を完了したい。
    また、以前から継続して調査をしていたドドマ州の調査地におけるダム開発計画はさらに進展しており、住民たちにとっては農地や植物採集の場を早急に移動させざるを得ない厳しい状況にあることも再確認した。この点については今後、継続で調査をしていきたい。
    さらに2022年度は、本研究課題と関連する国内の事例に関する原稿を執筆したり、国内の類似の事例に関する先行研究を読み、比較検討するための資料を収集した。
    2020年度から複数年にわたる新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて、現地調査が遅れてしまったため、最終年度であったはずの2022年に研究を終了することができなかった。
    2023年度は最終年度として、現地調査を完了させ、これまでの成果を論文の形にして投稿する。

  • アフリカ観光の新潮流と少数民族社会の再編:「プロジェクト型観光」に着目して

    研究課題/領域番号:17H01637  2017年04月 - 2023年03月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    丸山 淳子, 西崎 伸子, 八塚 春名, 中村 香子, 松浦 直毅, 岩井 雪乃, 目黒 紀夫

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    配分額:41990000円 ( 直接経費:32300000円 、 間接経費:9690000円 )

    アフリカの観光の現場では、開発支援とビジネス的要素を組み合わせながら、地域社会が抱える複数の課題を解決する観光形態が注目されている。本研究はこの最新の観光形態を「プロジェクト型観光」と位置づけ、関与する多様なアクターの整理、アクター間の目的の多層性、開始や普及過程、特徴などを分析する。そのうえで少数民族を含む地域社会がダイナミックに再編される複雑で重層的な過程と、そこにかかわるアクター間のポリティクスの解明を目指す。そして、アフ リカの複数地域の比較検討を通じて、「プロジェクト型観光」が少数民族の直面している問題の解決にいかに寄与し、一方で新たな問題や矛盾を生じさせているのかを包括的に考察することを目的として進めている。
    <BR>
    本年度は、新型コロナウィルス感染症の影響で遅れていた現地調査を部分的に再開した。南アフリカ、ケニア、タンザニアでの調査が進み、コロナ禍が観光に与えた影響の内実が明らかにされた。とくに観光と観光以外の経済活動、土地や資源の利用をめぐる観光とそれ以外の活動の競合、特定の文化や自然が観光資源化/脱観光資源化される過程などの調査が進んだ。またアフリカのプロジェクト型観光の特徴を明らかにするために、北海道や沖縄における先住民族観光のありかたや、その実践について調査と成果発表をした。くわえて、これまでに収集した資料や文献資料の分析を進めて、観光開発との関連で、野生生物保護、獣害、女性の苦境、在来知・地域知などにどのような変化がもたらされているのかを論じ、その成果を国内外での学会で発表したり、論文や書籍のかたちで公表した。
    新型コロナウィルス感染症の影響で現地調査に制約が多いため
    新型コロナウィルス感染症のパンデミック期間に実施できなかった現地調査を進めるとともに、これまでの研究成果を総合的にまとめる。とくに、新型コロナウィルス感染症の影響を受けたインバウンドの回復状況に注目しながら、新規の観光開発の取り組みについて明らかにする。同時に、それぞれの地域で、問題化している野生動物保護、獣害、ジェンダー関係、土地権、文化保護運動、紛争、貧困などと観光との関係を論じて、研究を総括する。

  • タンザニアの狩猟採集民による個人の複合的な生業展開と植物知識の変化に関する研究

    2016年04月 - 2019年03月

    政府機関 

  • タンザニアにおける狩猟採集民の生業複合に関する研究

    2012年04月 - 2014年03月

    政府機関 

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